「良い姿勢」を頑張ることで、身体に負担をかけていませんか?
その他
「姿勢を良くするために意識して背筋を伸ばしています」
これは、来院される方からよく聞く言葉のひとつです。
確かに、見た目の美しさや、体への負担を減らすという意味でも「正しい姿勢」は大切な要素です。
しかし、それを“がんばって維持している状態”が、実は“身体に大きな負担をかけている”というケースは非常に多く見られます。
姿勢は「作るもの」ではなく「整った体の結果」
人間の体は本来、重力に対して最も少ない筋活動でバランスを保つように設計されています。
それが「自然な姿勢」です。
ところが、筋肉の緊張バランスが崩れていたり、関節の動きが制限されていたりすると、
この自然なバランスが保てず、姿勢を「意識して作る」必要が出てきてしまいます。
その結果、
背筋を真っ直ぐにするために常に意識している
姿勢を維持するためにお腹や腰に常に力を入れている
正しい姿勢をとっているのがつらくなりすぐ疲れる
といった状態になり、かえって筋緊張や関節への負担が増してしまうのです。
どんなに正しい姿勢でも「固定」は負担になる
「正しい姿勢=ずっと良い姿勢」と思いがちですが、それも誤解の一つです。
人間の体は動くことで循環し、バランスを整えるようにできているため、
たとえ“理想的”な姿勢であっても、長時間同じ姿勢を取り続けること自体が負担になります。
特に、
呼吸が浅くなる
筋肉の持続的な緊張により血流が悪化する
関節や椎間板への持続的な圧がかかる
といったことが積み重なることで、慢性的な疲労や不調へとつながります。
「正しい姿勢が維持できない」のは、身体からのサイン
姿勢がうまく保てないとき、
「意識が足りない」「筋力が弱い」などと自分を責めてしまう方もいます。
しかし、それは体が「今は無理をしないで」と教えてくれているサインかもしれません。
特に以下のような方は、体のバランスを整えるアプローチが必要です。
✅ 背筋を伸ばすと呼吸が浅くなる
✅ 座っていると腰が張ってくる
✅ 姿勢を正すとすぐに疲れてしまう
姿勢を整えるセルフケア
ここでは、無理なく体のバランスを整えるためのセルフケアを2つご紹介します。
ケア①:胸郭を広げて座位姿勢を整える
これは、「正しい姿勢が保ちづらい」と感じる方に特におすすめです。
やり方:
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椅子に浅く腰掛け、骨盤を立てて座る
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両手をバンザイのように真上にゆっくり挙げて、胸を開く
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息を吸いながら、胸郭の広がりを感じる
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胸を開いたまま、手だけをゆっくり下ろしていく(胸は下がらないように)
▶ 胸郭が開くことで、背骨が自然な生理湾曲を保ちやすくなり、姿勢がラクに感じられるはずです。
✅ ケア②:仰向けで整える“寝たまま呼吸ケア”
姿勢に必要な筋の緊張バランスを整えるのに効果的です。
やり方:
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仰向けに寝て、膝を立てても伸ばしてもOK(楽な姿勢で)
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両手を頭の上に挙げ(バンザイ)、そのままゆっくり胸を開く
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胸郭を広げた状態で、1分間ゆっくり呼吸(吸う・吐くを意識)
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余裕がある方は、そのまま左右交互に足を反対側へゆっくり伸ばし、身体を軽くひねる動きを加えてみましょう
▶ 胸郭や体幹周囲の緊張が緩み、自然な呼吸と姿勢を支える準備が整ってきます。
姿勢を“保つ”のではなく、“整う身体”を目指して
せるり療法院では、
「がんばって良い姿勢を維持する」のではなく、
整った体で自然に良い姿勢をとるよう導く施術を行っています。
体が整えば、姿勢も呼吸も自然と楽になります。
「良い姿勢を意識しているのに疲れる」
「姿勢を正すのがしんどい」
そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなた本来の“自然な姿勢”を取り戻すために
無理に姿勢を作らなくてもいい、
そんな“整った体”にすることで、慢性的な痛みから開放され予防にも繋がります。
そんな“整った体”を一緒に目指していきましょう。