筋肉についてのお話と効果的なストレッチ方法
健康まめ知識
スポーツの秋ですね。当院にも、スポーツでからだを痛めた方が最近よく来られています。
今日は少し長めではありますが、「筋肉」についてのお話を。
ストレッチの話にもとてもつながりますので、スポーツなどをされている方には興味深い内容かも!?
僕たちの身体はたくさんの筋肉に包まれています。それぞれの筋肉がうまく動くことによって、いろんな動きや生命活動を維持しております。
そんな大切な役割を担っている筋肉ですが、彼らは基本一つのことしかできません。それは「縮む」こと。必要な時に、必要な筋肉が縮むことにより、いろんな動きや活動が生まれるわけです。
さて、その筋肉ですが、本来何もしない時には緩んでいるのが通常です。
しかし、何もしていないのに縮んでいるときもありますが、これは異常な状態といえます。この異常な状態が、痛みや痺れを生じさせたり、骨格をゆがませたり、さまざまな不調を生み出す原因になります。
実際、筋肉を緩めていくことで本当にたくさんの症状が回復していきます。
では、その筋肉はどうやって緩ませたらいいか?
「縮んでいるなら、伸ばしたり揉みほぐせばいい」とおっしゃるかと思いますが、この定説とも言える考え方が今変わりつつあるんです。
すこし掘り下げてみましょう。
筋肉はどうやって縮んでいるのか?
答えは、脳の指令で縮みます。あるいは生体的な反射によって縮みます。
(意識的に縮むのを除いて)特に、身を守るための防衛反応として、身体を緊張させて守ろうとするときに縮みます。
つまり、縮んだままの異常な状態というのは、脳が「危険」と判断しているために、緊張が解除されていないということになります。
すこし話が変わりますが、人間の肌はとても高感度のセンサーがついています。髪の毛一本皮膚に触れただけでわかるくらい。
なので、「押す」「揉む」「叩く」といったことは刺激が強すぎて脳が「危険」と判断してしまう場合がかなりあります(特に疾患のある場合は脳の警戒レベルが高くなっているため、刺激に対して過剰に反応してしまう)。
ではどうすればいいのか?
やさしくアプローチしていくことによって、脳が警戒を解除し、効率的に筋肉の緊張は解除されていきます。
最近、海外の論文にもでてきているそうなのですが、やさしい刺激の方が筋肉は柔らかくなるというのがわかってきています。
それを応用すれば、より効果的にストレッチができるわけですね。
ではストレッチの方法です☆
①伸ばしたい筋肉をゆっくりやさしく伸ばして、張りを感じたら少し戻して10数えます。
②一旦戻してからまた伸ばして、張りを感じたらまた少し戻して10数えます。
ずいぶん地味ですが(笑)
この方法を3回繰り返すと、その時に伸びる筋肉の最大のところまで伸ばすことが出来ます。
痛みや張りがあると、防衛本能が働いて筋肉は緊張状態になってしまいます。
その代わり、痛みや張り感がない程度でゆっくり伸ばしていくことで、体は安心して緊張状態を解きます。
この方法、伸ばした感がないので最初は物足りないように思ってしまいますが、かなり有効です。特に、クールダウンの時のストレッチとしてはとても効果的です。
すべての筋肉や関節に有効ですから、皆さんもストレッチをする際には、ぜひこの方法を試してみて下さいね。